「自然の中で働きたい」「自分で作った作物を売りたい」
そんな思いから就農を考える人は年々増えています。一方で、実際に就農した後に「思っていたのと違った」「もっと準備しておけばよかった」と感じるケースがあるのも事実です。
本記事では、就農後に後悔しやすい代表的なポイントを整理し、これから農業を始める方が冷静に判断できるよう、一般的な情報として解説します。
※本記事は特定の職業選択を否定・推奨するものではなく、判断材料の提供を目的としています。
就農後に後悔しやすいポイント① :収入が安定しにくい現実
「農業は稼げない」という極端な話ではありません。しかし、会社員のように**「毎月決まった日に、決まった額が振り込まれる」という当たり前がなくなる**ことへの覚悟は必要です。
ここでは、統計データから見る農業所得の現実と、後悔しないための防衛策を解説します。
1. 統計が示す「農業所得」の実態
農林水産省の調査によると、個人経営体の平均的な所得データは以下の通りです。
【営農形態別の所得目安(令和4年)】 | 部門 | 農業粗収益(売上) | 農業所得(手残り) | | :— | :— | :— | | 露地野菜 | 約545万円 | 約232万円 | | 施設野菜 | 約1,235万円 | 約447万円 | | 果樹 | 約450万円 | 約194万円 | | 稲作 | 約319万円 | 約10万円 |
出典:農林水産省「農業経営統計調査(令和4年)」 ※所得(手残り)は、売上から種苗代、肥料代、燃料費、減価償却費などの諸経費を差し引いた金額です。
一見してわかる通り、「売上=自分の給料」ではありません。 特に初期段階では機械のローン返済や設備投資が重なり、手元に残る金額が想定を下回るケースが多々あります。
2. なぜ「不安定」なのか?3つのリスク
就農後に多くの人が「こんなはずじゃなかった」と後悔するのは、以下のコントロールできない変数が多いためです。
- 気象リスク: 台風、長雨、猛暑。これら一つで、数ヶ月かけた努力が文字通り「ゼロ」になる可能性があります。
- 価格の乱高下(豊作貧乏): 野菜が穫れすぎて市場価格が暴落すると、出荷すればするほど赤字(資材・運賃割れ)になる現象が起こります。
- 無収入期間の発生: 作物を植えてから収穫・販売するまでの数ヶ月間、収入が途絶える時期が発生します。
3. 「後悔」を「安心」に変えるための事前対策
この現実を前にして、絶望する必要はありません。成功している新規就農者は、必ずと言っていいほど以下の対策を講じています。
- 「農業次世代人材投資資金(経営開始資金)」の活用 国や自治体が実施している、新規就農者に対して年間最大150万円を交付する支援制度などを徹底的にリサーチしましょう。
- 生活費3年分の貯蓄 「農業所得だけで生活する」までには時間がかかります。最低でも1〜2年、理想は3年分の生活費を確保した状態でのスタートを強く推奨します。
- 複合経営や「半農半X」の検討 一つの作物に依存せず、収穫時期をずらしたり、加工品の販売や副業(ライティング、IT作業など)を組み合わせることで、キャッシュフローを安定させることができます。
まとめ:数字と向き合うことが、理想への第一歩
「土に触れる豊かな暮らし」という理想を守るためには、シビアな資金シミュレーションという現実の盾が必要です。まずは自分が目指す品目の収支実態を、自治体の普及指導センターなどで詳しく確認することから始めてみましょう。
就農後に後悔しやすいポイント②:想像を絶する「肉体労働」の現実
農業は「自然の中でのリフレッシュ」というイメージとは裏腹に、建設業や運輸業に匹敵する、あるいはそれ以上のハードな肉体労働です。
特にデスクワーク中心の生活から転身する場合、このギャップが原因で離職を考えてしまうケースが少なくありません。
1. データが語る「身体への負担」
農林水産省の調査や関連データを見ると、農業従事者が抱える身体的課題が浮き彫りになります。
- 年間労働時間の長さ: 個別経営体の主業農家における農業従事者1人あたりの年間労働時間は、平均で約2,000時間〜2,300時間(品目による)に及びます。一般的な会社員のフルタイム労働(約1,800〜2,000時間)を上回るケースが多く、特に繁忙期は休みがゼロになることも珍しくありません。
- 身体の悩み(職業病): ある調査では、農業従事者の約7割以上が腰痛や関節痛を抱えているという結果も出ています。「中腰での作業」「数十キロの収穫物の運搬」「反復継続する動作」が、長年かけて確実に身体を蝕みます。
2. 「ただ疲れる」だけではない、農業特有のきつさ
後悔しやすいのは、単なる筋肉痛ではなく、以下のような**「環境要因」**が重なるためです。
- 過酷な気象条件: 夏場はハウス内温度が40°Cを超えることもあります。一方で冬の早朝作業は氷点下。この気温差の中で長時間活動するための自己管理能力が問われます。
- 「待ったなし」の自然相手: 生き物(作物)が相手のため、自分の体調が悪くても、あるいは嵐が近づいていても、収穫や防除(農薬散布)を休むことはできません。
- 不規則な生活リズム: 鮮度を保つため、午前2時や3時に起きて収穫・出荷作業を行う品目(レタスやイチゴなど)もあります。このリズムに身体が適応できず、自律神経を崩す新規就農者も存在します。
3. 体力的な「後悔」を防ぐ3つの対策
「根性」だけで解決しようとするのは危険です。現代の農業には、身体を守るための賢い戦略が必要です。
- 「スマート農業」と「省力化器具」の積極導入 アシストスーツの着用、自動かん水システムの導入、運搬用台車の工夫など、「いかに力を使わないか」に投資を惜しまないことが長く続けるコツです。
- 品目選びを「体力」で判断する 「好きだから」だけでなく、自分の体力に適しているかを冷静に判断しましょう。例えば、重量物の運搬が多い果樹や露地野菜に比べ、高設栽培のイチゴや水耕栽培などは、腰への負担を軽減できる設計が可能です。
- 「アスリート」としての体調管理 農業を「仕事」ではなく「スポーツ」と捉え、日々のストレッチ、食事、質の高い睡眠を徹底すること。身体が資本である以上、メンテナンス費用は経費だと考えましょう。
まとめ:身体の悲鳴は「工夫」のサイン
「きついのは当たり前」と自分を追い込みすぎると、心まで折れてしまいます。体力の限界を感じる前に、「どうすれば楽に作業できるか?」という経営的視点を持つことが、後悔しないための最大の防衛策です。
就農後に後悔しやすいポイント③:想像以上に「休み」が取れない
農業において、作物は土日祝日に関係なく成長し続けます。「天気がいいから収穫する」「雨が降りそうだから防除(農薬散布)する」といった、自然のスケジュールに人間が合わせる生活が基本となります。
1. データが示す「休日数」の厳しさ
農林水産省の「営農類型別経営統計」や関連する意識調査を参考にすると、農業従事者の休日実態が見えてきます。
【農業従事者の年間休日数の目安】
- 他産業(全産業平均): 約105〜120日
- 主業農家(平均): 約60〜80日程度(品目により大きく変動)
参照:農林水産省「農業経営統計調査」等のデータを基に推計
特に新規就農直後は、技術習得や販路開拓に時間を割く必要があり、**「1ヶ月以上1日も休んでいない」**という状況に陥る人も珍しくありません。また、家畜を育てる畜産業や、収穫期が集中する果樹・野菜農家では、長期休暇の取得が極めて困難という現実があります。
2. なぜ「休み」が取りにくいのか?
単に忙しいだけでなく、農業特有の「休めない構造」が存在します。
- 繁忙期の集中: 収穫期は「1日の遅れが数万円の損失」に直結します。この時期は早朝から深夜まで作業が続き、冠婚葬祭以外の理由で休むのは困難です。
- 生き物相手の責任感: ビニールハウスの温度管理や水やりなど、少しの油断で作物が全滅するリスクがあるため、心理的に現場を離れられない「精神的拘束」が生じます。
- 代わりのいない不安: 小規模な家族経営や個人経営では、自分が倒れたり休んだりした際のバックアップ体制が整っていないケースがほとんどです。
3. 「休み不足」で燃え尽きないための対策
「農業だから休めないのは仕方ない」と諦めるのは危険です。長く続けるためには、戦略的に休みを作る仕組みが必要です。
- 「農閑期」のある品目を選ぶ 例えば、稲作などは作業のピークがはっきりしており、冬場にまとまった休みを取りやすい傾向があります。自分の理想とするライフスタイル(例:冬は旅行に行きたい、家族との時間を増やしたい)に合わせて品目を選ぶ視点が重要です。
- スマート農業による「遠隔監視」の導入 スマホでハウスの温度を確認したり、自動で窓を開閉したりするシステムを導入すれば、物理的に現場に縛り付けられる時間を劇的に減らせます。
- 地域の「ヘルパー制度」や共同体の活用 地域によっては、冠婚葬祭やリフレッシュのために作業を代行してくれる「農作業ヘルパー」制度があります。また、近隣農家と良好な関係を築き、いざという時に助け合える体制を作っておくことが最大のセーフティネットになります。
まとめ:自分らしい「働き方」をデザインする
農業は「労働時間が長い=偉い」という風潮がまだ残っている世界ですが、現代の就農において最も大切なのは**「持続可能性(サステナビリティ)」**です。
就農前から「年間でいつ、どれくらい休みたいか」を経営計画に組み込み、無理のない作付け計画を立てることが、5年後、10年後の後悔を防ぐ鍵となります。
就農後に後悔しやすいポイント④:想像以上に深い「人間関係」の難しさ
農業は一人で黙々と作業するイメージがあるかもしれませんが、実際には地域コミュニティとの関わりなしに成立させるのは困難です。この距離感を見誤ると、精神的に追い詰められてしまうリスクがあります。
1. 統計が示す「離農」の隠れた理由
新規就農者が数年で農業を辞めてしまう理由は、資金繰りだけではありません。
- 離農理由の上位に食い込む「人間関係」: 農林水産省や自治体の新規就農者調査によると、経営の不安定さに次いで「生活環境への不適応」や「地域との人間関係」が離職(離農)の主な要因として挙げられることが多いのが現実です。
- 情報格差の壁: 地域の水利権(農業用水の利用ルール)や、耕作放棄地の貸借、地元の農協(JA)とのやり取りなど、**「明文化されていない地域のルール」**を把握できず、孤立してしまうケースが散見されます。
2. なぜ「人間関係」で後悔するのか?
就農者が直面しやすい「地方・農業特有の人間関係」には、以下の3つの特徴があります。
- 「仕事」と「プライベート」の境界線が曖昧: 近所付き合いがそのまま仕事の円滑さに直結します。朝の挨拶から、地域の草刈り、祭りの役員、夜の集まりまで、コミュニティの一員としての「義務」が想像以上に多いことに驚くはずです。
- 独自の「ローカルルール」: 「水路の掃除は〇月〇日の早朝」「この道の通行は〇〇さんに断りを入れる」といった、その土地に長く住む人だけが知る暗黙の了解が存在します。これを知らずに破ると、知らないうちに「扱いにくい人」というレッテルを貼られることもあります。
- 視線の多さ: 新しく入ってきた人は、地域全体の注目を浴びます。「今日は何を植えたのか」「機械を壊していないか」など、良くも悪くも常にチェックされている感覚にストレスを感じる人も少なくありません。
3. 人間関係の「後悔」を回避する処方箋
「郷に入っては郷に従え」と言われますが、自分を殺しすぎる必要はありません。健全な距離を保つための戦略が重要です。
- 「お試し移住」や「農業研修」での事前リサーチ 本格的な就農前に、その地域の研修制度を利用して最低でも1年は通いましょう。農作業だけでなく「地域の寄り合いの雰囲気」や「若手農家のコミュニティがあるか」を肌で感じることが、ミスマッチを防ぐ最大の防御です。
- 挨拶と「ギブ」の精神を忘れない 専門知識をひけらかさず、まずは地域の一年生として「挨拶」と「教えを請う姿勢」を徹底すること。少し多めに穫れた野菜を分ける、地域の行事に参加するといった小さな積み重ねが、困った時の大きな助けに変わります。
- 「第三のコミュニティ」を持つ 地域の中だけに居場所を求めると、トラブル時に逃げ場がなくなります。SNSを通じた全国の就農仲間や、以前の職場の友人など、地域の外にメンタルを支えるコミュニティを維持しておくことが心の安定につながります。
まとめ:地域は「敵」ではなく「インフラ」
人間関係を「面倒なもの」と捉えると苦しくなりますが、**「農業を支える大切なインフラ」**だと割り切ることも一つの知恵です。
まずは「この人たちの仲間になりたいか?」という直感を大切に、じっくりと場所選びを行うことが、就農後の幸福度を大きく左右します。
就農後に後悔しやすいポイント⑤:経営は「農作業」だけではない
「土をいじっている時間」は、実は仕事の一部に過ぎません。独立して農業を営むということは、**企画・生産・営業・経理・人事のすべてを一人でこなす「ひとり企業の社長」**になることを意味します。
1. 統計が示す「事務・管理業務」の重み
農業経営体がどれほどの時間を農作業以外に割いているか、実態を見てみましょう。
- 管理業務の割合: 農林水産省の経営調査や成功している農業法人の分析では、経営主の労働時間のうち、20%〜30%以上が「販売・伝票整理・事務」などの管理業務に費やされているケースが多く見られます。
- 新規就農者のつまずき: 日本政策金融公庫の調査等では、新規就農者の課題として「生産技術の習得」と並び、**「販路の確保・拡大」や「資金繰り」**が常に上位にランクインしています。
2. 「作る」以外に発生する、主な経営業務
「作業着を着ていない時間」に、以下のようなシビアな業務が待ち構えています。
- 緻密な収支管理: 肥料、燃料、資材費の高騰を予測し、売上から経費を引いた「純利益」を常に計算しなければなりません。どんぶり勘定は即、倒産に直結します。
- 営業・マーケティング: 農協(JA)への出荷だけでなく、直売所、飲食店、ECサイトなど、どこに・いくらで売るのが最も利益が出るかを交渉・分析する力が必要です。
- 確定申告・書類作成: 個人事業主として、複雑な税務処理や補助金の申請書類作成、さらにはGAP(農業生産工程管理)の認証取得に向けた膨大な記録付けが求められます。
- リスクマネジメント: 資材の盗難、農機具の故障、損害保険への加入検討など、あらゆるトラブルを「自己責任」で処理する判断力が試されます。
3. 「経営」の壁を乗り越えるための3つの準備
「事務作業が苦手だから」と放置すると、せっかくの美味しい作物が手元に利益を残しません。
- ITツールの活用(スマート経営) 手書きのノートではなく、スマホで入力できる「農業経営管理アプリ」や「クラウド会計ソフト」を導入しましょう。日々の作業記録がそのままデータになり、確定申告や分析の時間を大幅に短縮できます。
- 就農前に「簿記」と「マーケティング」の基礎を学ぶ 農業研修では「育て方」は教えてくれますが、「売り方」や「お金の守り方」は教えてくれないことが多いです。就農前に日商簿記3級程度の知識と、Webマーケティングの基礎をかじっておくだけで、生存率は格段に上がります。
- 「餅は餅屋」のネットワークを作る すべてを一人で抱え込まず、税理士や行政書士、ITに強い仲間など、専門的な事務作業を相談できる「外注先」や「相談相手」を確保しておくことが経営者の手腕です。
まとめ:農業は「ビジネス」である
「良いものを作れば売れる」という時代は終わりました。後悔しない就農とは、「土の上の努力」を「通帳の数字」に変換する仕組みを構築することです。
経営者としての視点を持つことは、決して夢を壊すことではなく、あなたの夢を「持続可能」にするための唯一の方法なのです。
後悔しないために:農業を「持続可能」にする3つの考え方
「なんとかなる」という精神論ではなく、客観的なデータと論理に基づいた準備こそが、あなたを後悔から守ります。
1. 「農業」ではなく「農業経営」と捉える
最も大切なのは、自分を「農家」という職人ではなく、**「経営者」**だと定義し直すことです。
- データで見る「成功者の共通点」: 農林水産省の分析では、経営状態が良い新規就農者は、技術習得だけでなく「経営計画の策定」や「販売先の早期確保」に力を入れている傾向があります。
- 「損益分岐点」を把握する: 「いくら売れたか(粗利)」ではなく、「いくら残ったか(所得)」に執着してください。売上高から経費を引いた利益を常にシミュレーションし、赤字のリスクを最小限に抑える「数字の視点」が、倒産=後悔を防ぎます。
2. 「小さく始めて、徐々に育てる」のスモールスタート戦略
最初から大規模な投資をして機械や施設を揃えるのは、リスクが非常に高いです。
- 「生存率」を高める資金繰り: 新規就農者の離農率が最も高いのは、開始から3年以内と言われています。初期投資を抑え、借入金を最小限にすることで、不作や価格暴落といった「予期せぬ事態」への耐性(レジリエンス)を高めることができます。
- 「撤退ライン」を決めておく: 「〇年経っても所得が〇〇万円を下回るなら、一度立ち止まる」といった撤退基準をあらかじめ決めておくことは、決して後ろ向きなことではありません。それは自分と家族の人生を守るための、高度な経営判断です。
3. 「孤立」を避け、ネットワークを資産にする
農業は一人で完結する仕事ではありません。周囲とのつながりを「面倒なもの」ではなく「リスクヘッジ」と考えましょう。
- 多角的なコミュニティへの参加:
- 地元のベテラン農家: その土地特有の気候やトラブルへの対処法を知っています。
- 同世代の新規就農者: 同じ悩み(経営や販路)を共有でき、精神的な支えになります。
- 消費者のコミュニティ: 直接販売(D2C)を行う場合、あなたの「ファン」が最大の支えになります。
ポイント: 「助けて」と言える関係性を作っておくことが、不測の事態(病気、怪我、災害)に直面した際の最大のセーフティネットになります。
まとめ:準備の質が、就農後の幸福度を決める
就農はゴールではなく、新しい人生のスタートです。
- 数字で現実を見つめる。
- 身体を労わる仕組みを作る。
- 人との繋がりを大切にする。
この3つを意識するだけで、就農後の「こんなはずじゃなかった」は劇的に減らすことができます。まずは、自分が理想とする「10年後の暮らし」から逆算して、今の準備が十分かどうかを再確認してみてください。
就農は「覚悟」と「準備」で後悔を減らせる
農業という道は、決して平坦ではありません。しかし、ここまで解説してきた「後悔しやすいポイント」を事前に理解し、対策を練っておけば、リスクを最小限に抑えることは十分に可能です。
1. 「なんとかなる」を「計画」に変える
新規就農者の定着率に関する調査では、**「具体的な経営計画を立て、事前に相談機関を活用した層」**ほど、離農率が低いという傾向があります。
- 3年間の資金シミュレーション: 生活費を含め、収入がゼロでも耐えられる期間を把握する。
- 品目特性の理解: 自分の体力、希望する休日、目標所得に合った作目を選んでいるか再確認する。
2. 就農前に「自分の適性」を再チェック
後悔を未然に防ぐために、以下のチェックリストを最終確認してみましょう。
| 確認項目 | チェックポイント |
| 資金面 | 自己資金は十分か?補助金の条件を完璧に理解しているか? |
| 体力面 | 夏場の過酷な環境や、連日の肉体労働に耐えうる習慣があるか? |
| 環境面 | 地域の行事や共同作業を「仕事の一部」として受け入れられるか? |
| 経営面 | 事務作業やデータ分析を後回しにせず、数字で判断できるか? |
3. 最後に:農業がもたらす「本当の価値」
ここまで厳しい現実をお伝えしてきましたが、それはあなたが**「農業を嫌いになってほしくない」**からです。
厚生労働省などの調査では、農業従事者は他職種に比べ**「仕事へのやりがい」や「生活の満足度」が高い**というデータもあります。自分の手で命を育て、食を支え、自然と共に生きる。この手応えは、他の何物にも代えがたい喜びです。
「準備は守りの姿勢ではなく、理想を現実へと引き寄せるための**『攻めの戦略』**です。」
記事のポイント
- 就農は理想だけでなく、収入・生活面を含めた現実的な判断が重要
- 新規就農では、数年間は収入が安定しにくいケースがある
- 天候や市場価格の影響を受けやすく、計画通りに進まないこともある
- 農業は体力的負担が大きく、慣れるまで時間がかかる場合がある
- 年齢や体力に合った作物・規模選びが後悔を減らす鍵になる
- 繁忙期は休日が取りにくく、長期休暇が難しいこともある
- 「自営業=自由」というイメージだけで就農するとギャップが生じやすい
- 農業は地域との関わりが深く、人間関係が重要な要素となる
- 地域の慣習や共同作業への理解不足がトラブルにつながることがある
- 作物を作るだけでなく、販売・経営も就農後の大きな仕事になる
- 販路開拓や価格設定は事前に考えておくべき重要ポイント
- 会計・申告など、事務作業の負担も想定しておく必要がある
- 就農前の研修や体験は、後悔を防ぐ有効な手段となる
- 補助金や支援制度は「一時的な支え」として考えることが大切
- 就農は準備と覚悟次第で、納得感のある選択に近づける
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