夏になると、「エアコンの電気代を少しでも安くしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。
そこで注目されるのが、エアコンの室外機カバーです。
ホームセンターやネット通販ではさまざまな室外機カバーが販売されていますが、
「わざわざ専用品を購入する必要があるの?」
「すだれやよしずを室外機カバーの代わりにできない?」
「室外機を日陰にすると、本当に電気代対策になる?」
と疑問に感じる方もいるでしょう。
結論からいうと、すだれ・よしずは室外機カバーの代わりとして活用できます。
しかも重要なのは、「室外機そのものを覆う」のではなく、室外機から適切な距離を取って日陰を作ることです。
エアコンの室外機は、冷房運転中に室内から運んできた熱を屋外へ放出しています。そのため、室外機の周囲をカバーなどで囲ってしまうと放熱を妨げ、かえって冷房効率を低下させる可能性があります。
一方、すだれやよしずを少し離れた場所に設置すれば、風通しを維持しながら直射日光を遮ることができます。
この記事では「室外機カバーの代わり」を探している方に向けて、すだれ・よしずを中心に、室外機カバーのメリット・デメリット、設置するときの注意点、電気代を抑えるためのポイントまで詳しく解説します。
室外機カバーの代わりなら「すだれ・よしず」がおすすめ

室外機カバーの代わりとして最初に検討したいのが、昔から日本の暑さ対策に使われてきたすだれ・よしずです。
理由は非常にシンプルです。
室外機の日除けで重要なのは、
「室外機を覆うこと」ではなく「直射日光を遮りながら空気を流すこと」
だからです。
ダイキンも、夏場の室外機が直射日光や地面からの照り返しを受けると周囲が高温になり、熱を捨てる効率が低下して余計な電力を使う場合があると説明しています。
その対策として、室外機から約1m離れた場所に植木やよしずを設置して日陰を作る方法を紹介しています。
つまり、ホームセンターなどで購入できる普通のよしずでも、設置方法さえ正しければ室外機の日除けとして活用できます。
室外機カバーのメリット・デメリット|すだれ・よしずとの違い
まず、それぞれの特徴を整理してみましょう。
| 方法 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| すだれ | 安価・軽い・設置しやすい | 強風対策が必要 | ★★★★★ |
| よしず | 広範囲に日陰を作れる | 設置スペースが必要 | ★★★★★ |
| 天面カバー | コンパクト | 横方向の日差しに弱い | ★★★★☆ |
| 箱型カバー | 外観を整えやすい | 通風を妨げる可能性 | ★★☆☆☆ |
| 遮熱シート | 安価で設置しやすい | 効果が設置条件に左右される | ★★★☆☆ |
| 植木 | 景観が自然 | 管理・スペースが必要 | ★★★☆☆ |
電気代対策を第一に考えるのであれば、室外機全体を囲う方法より、室外機から離れた位置で日陰を作る方法を優先したいところです。
室外機カバーのメリット・デメリットで重要なのは「通風」

ここは非常に重要です。
室外機は単なる「エアコンを動かす箱」ではありません。
冷房運転では、室内から回収した熱を冷媒によって屋外へ運び、室外機の熱交換器とファンを利用して大気中へ放熱しています。
したがって、
「暑そうだから室外機全体を覆ってあげよう」
という考え方は、場合によっては逆効果です。
吹出口をふさいでしまうと、室外機から排出された高温の空気を再び吸い込む「ショートサーキット」が起こり、熱交換効率が悪化する可能性があります。
ダイキンも、吹出口をふさぐと放出した熱風を再び吸い込み、冷却効率が著しく低下すると説明しています。
室外機カバーの代わりに「よしず」が節電対策として使いやすい理由
「室外機カバーの代わりになるものを一つ選ぶなら何?」
と聞かれたら、筆者ならまずよしずを候補にします。
最大の理由は、室外機そのものに取り付ける必要がないからです。
※上の画像は設置イメージの参考です。実際には使用するエアコンメーカーの設置条件を優先してください。
室外機カバーのメリット・デメリット|よしずなら離して設置できる
専用カバーは室外機本体へ取り付ける商品も多いのに対し、よしずは独立して設置できます。
そのため、
太陽 → よしず → 日陰 → 室外機
という状態を作れます。
ポイントは「室外機に密着させないこと」。
ダイキンが紹介している目安は室外機から約1mです。
ただし、住宅の構造や機種によって必要な設置スペースは異なります。最終的には取扱説明書・据付説明書に記載された必要スペースを優先してください。
室外機カバーのメリット・デメリット|よしずは西日対策にも使いやすい
室外機が特に高温になりやすい環境の一つが、午後から強い西日が当たる場所です。
天面だけを覆うカバーでは、斜め方向から入ってくる西日を十分に遮れない場合があります。
一方、大きなよしずなら太陽の方向に合わせて設置位置を調整できます。
そのため、
- 南向きで長時間日差しが当たる
- 西日が強烈に当たる
- コンクリートから照り返しを受ける
- 室外機周辺に日陰がない
といった住宅では特に検討する価値があります。
室外機カバーの代わりにすだれを使う方法

ベランダなどスペースが限られている場合は、よしずよりすだれのほうが使いやすいケースがあります。
すだれは軽量で価格も比較的安く、ホームセンターなどでも入手しやすいのがメリットです。
室外機カバーのメリット・デメリット|すだれは低コスト
すだれの大きな魅力は導入コストです。
高価な室外機カバーを購入しなくても、すでに自宅にあるすだれを活用できる場合があります。
ただし、ここでも重要なのは室外機へ直接かぶせないことです。
パナソニックも、すだれやよしずについて、室外機へ直接かぶせず、吹出口・吸込口をふさがないよう余裕を持って設置するよう説明しています。
室外機カバーのメリット・デメリット|すだれの弱点は風
すだれは軽いため、台風や強風時には飛ばされる危険があります。
ベランダや住宅密集地では特に注意が必要です。
紐などで確実に固定するとともに、台風や暴風が予想される場合には事前に撤去できる構造にしておくことをおすすめします。
室外機のファンの風だけでバタつくような設置方法も避けましょう。
室外機カバーの代わりで電気代は本当に下がる?
ここが今回の記事で最も気になる部分でしょう。
結論としては、
「日除けを設置すれば必ず○%電気代が安くなる」とは言えません。
住宅環境、外気温、エアコンの機種、設定温度、日射量、部屋の断熱性能などによって結果が大きく異なるからです。
しかし、室外機周辺の温度環境が冷房時の消費電力に影響すること自体には合理的な根拠があります。
室外機カバーのメリット・デメリット|外気温と消費電力の関係
パナソニックが自社環境試験室で実施した試験では、14畳用エアコンを同条件で冷房運転した場合、
| 室外側の条件 | 平均消費電力 |
|---|---|
| 35℃ | 302W |
| 30℃ | 157W |
という結果が示されています。
30℃時は35℃時の**約52%**です。
ただし、これは「よしずを設置したら電気代が48%削減できる」という実験ではありません。
外気温条件の違いによる比較試験です。
ここを混同して「よしずで電気代48%削減!」などと書くのは適切ではありません。
重要なのは、室外機が吸い込む空気の温度条件が冷房時の消費電力に影響することです。
だからこそ、直射日光や照り返しによる室外機周辺の過度な温度上昇を抑えることには意味があります。
室外機カバーの代わりを使うとき絶対に避けたいこと

節電目的で行った対策が、逆にエアコンの効率を落としてしまっては本末転倒です。
特に次のような設置方法には注意しましょう。
室外機カバーのメリット・デメリット|室外機をすっぽり囲わない
室外機の前面・背面・側面を板やシートなどですっぽり囲うのは避けましょう。
冷房時には大量の熱を外へ排出する必要があります。
室外機周辺の空気が滞留すると、排出した熱を再び吸い込む可能性があります。
パナソニックも、日除けを設置する場合は周囲に十分なスペースを確保し、条件によっては前後左右上下のうち少なくとも3方向を開放するよう案内しています。
室外機カバーのメリット・デメリット|濡れタオルを載せるのは避ける
SNSなどで「室外機に濡れタオルを載せて冷やす」といった方法を目にすることがありますが、おすすめできません。
ダイキンも、タオルによって吸込口や吹出口をふさいでしまうと逆効果になると注意喚起しています。
室外機は「本体を冷たくすること」が目的なのではありません。
重要なのは効率よく熱交換・放熱できる環境を作ることです。
室外機カバーの代わりを選ぶなら「日陰+風通し」で考える
ここまでを整理すると、選び方はかなりシンプルになります。
室外機の日除け対策では、
遮熱性能だけを見るのではなく、通風性能をセットで考える
ことが重要です。
室外機カバーのメリット・デメリットを比較
おすすめ順位を付けるなら次のようになります。
1位:よしず
広範囲の日差しを遮りやすく、室外機から離して設置できます。
2位:すだれ
安価で設置しやすく、ベランダなどでも利用しやすい方法です。
3位:天面型日除け
設置スペースが限られる住宅で便利です。ただし横方向からの日差しには弱くなります。
4位:植木などによる自然な日陰
条件が合えば有効ですが、落ち葉や枝が吸込口・吹出口をふさがないよう管理が必要です。
注意したい:箱型カバー
デザイン性や目隠し目的では便利ですが、冷房運転時に通風を阻害する構造では節電目的と逆行する可能性があります。
室外機カバーの代わりと一緒に行いたい電気代対策
せっかく室外機に日陰を作るのであれば、ほかの節電方法も一緒に実践しましょう。
実はこちらのほうが重要な場合もあります。
室外機カバーのメリット・デメリット|室外機周辺を掃除する
まず確認したいのが室外機周辺です。
落ち葉、植木鉢、収納ボックス、ゴミ、雑草などがありませんか?
これらが吸込口や吹出口周辺にあると、空気の流れを阻害する可能性があります。
ダイキンも「室外機まわりをスッキリさせる」ことを節電ポイントとして挙げています。
特に台風や強風の後は確認しておきましょう。
室外機カバーのメリット・デメリット|室内への日射も遮る
室外機だけに対策しても、窓から大量の日射熱が室内へ入っていたらエアコンの負荷は大きくなります。
そこでおすすめしたいのが、もう一枚のすだれです。
室外機用+窓用
という使い方です。
パナソニックも夏の節電方法として、カーテンやブラインドに加え、窓の外側へのすだれ設置を紹介しています。
室外機周辺への日射を減らすだけでなく、室内へ入る熱そのものを減らすことで、より総合的な冷房負荷対策になります。

室外機カバーの代わりにすだれ・よしずを設置するチェックリスト
設置前に、以下を確認してください。
- 室外機へ直接かぶせていないか
- 吹出口をふさいでいないか
- 背面の吸込口をふさいでいないか
- メーカー指定の設置スペースを確保しているか
- よしず・すだれがファンの風でバタつかないか
- 強風で飛ばないよう固定されているか
- 台風前に撤去できるか
- 室外機周辺に落ち葉がないか
- 植木鉢などを前に置いていないか
- 西日を遮れているか
- 地面からの照り返しが強くないか
- 排気された熱風がこもらないか
- 室外機周囲に十分な空間があるか
- 定期的に状態を確認できるか
- 使用機種の取扱説明書を確認したか
この条件を満たしたうえで、**「室外機を覆う」のではなく「室外機が日陰に入るようにする」**のが基本です。
室外機カバーの代わりにすだれ・よしずを使う方法はこんな人におすすめ
特におすすめしたいのは、
「夏のエアコン代を少しでも抑えたい」
「室外機に午後から西日が当たっている」
「室外機カバーを買うほどではない」
「家に余っているすだれがある」
「ホームセンターの商品で簡単に対策したい」
という方です。
逆に、室外機がすでに建物の北側などの日陰にあり、十分な通風も確保されているなら、追加の日除けによる効果は感じにくい可能性があります。
パナソニックも、もともと日陰に設置され風通しが良い場合には、特に日除けを必要としないと説明しています。
まとめ|室外機カバーの代わりは「すだれ・よしず」が有力
「室外機カバーの代わりになるものはないかな?」と考えているのであれば、まず検討したいのがすだれ・よしずです。
特に夏場、室外機へ強い直射日光や西日が当たっている住宅では、日陰を作ることによって室外機周辺の過度な温度上昇を抑えることが期待できます。
ただし、大きな勘違いをしてはいけません。
室外機対策で大切なのは、
「室外機を冷やすこと」でも「室外機をカバーで覆うこと」でもありません。
冷房運転では、室外機が室内から運ばれてきた熱を屋外へ効率よく放出できる環境を作ることが重要です。
そのため、
直射日光を遮る+空気の通り道を確保する
という2つを同時に考える必要があります。
すだれ・よしずは、室外機から距離を取って設置できるため、この条件を満たしやすいのがメリットです。
反対に、室外機全体を箱型カバーなどで囲ってしまうと、排出された熱風が滞留したり、吸込口・吹出口をふさいだりする可能性があります。
「カバーを付ければ付けるほど省エネになる」というわけではないことを覚えておきましょう。
また、日除けだけで大幅に電気代が下がると断定することもできません。
エアコンの消費電力は、外気温、設定温度、住宅の断熱性能、部屋への日射、使用時間、エアコンの性能など、さまざまな条件によって変化します。
だからこそ、室外機のすだれ・よしず対策に加えて、
窓の日射対策・フィルター清掃・室外機周辺の整理・適切な温度設定
などを組み合わせることが重要です。
今年の夏、室外機に強い直射日光が当たっているなら、いきなり高価な室外機カバーを購入する前に、まずはすだれやよしずで「風通しのよい日陰」を作れるか確認してみてはいかがでしょうか。
この記事のポイント15選
- 室外機カバーの代わりには「すだれ・よしず」が使いやすい
- 電気代対策では室外機を覆うより日陰を作ることが重要
- 室外機は冷房時に室内の熱を屋外へ放出している
- 吹出口をふさぐと冷房効率が低下する可能性がある
- 吸込口もふさがない
- よしずは室外機から距離を取って設置する
- ダイキンは約1m離したよしず等による日陰作りを紹介している
- すだれは安価で設置しやすい
- よしずは広範囲の西日対策にも向いている
- 箱型カバーは通風を妨げない構造か確認する
- 室外機へ濡れタオルを載せる方法は避ける
- 強風・台風時にはすだれやよしずの飛散に注意する
- 室外機周辺の植木鉢・落ち葉・雑草なども確認する
- すでに日陰にある室外機では追加の日除け効果が小さい場合がある
- 電気代対策は「室外機の日陰+窓の日射対策+清掃」を組み合わせる
参考資料
今回の記事では、エアコンメーカーの公式資料を根拠として使用しています。
ダイキンは、室外機の吹出口をふさがないことに加え、直射日光を防ぐ方法として、室外機から約1m離して植木やよしずで日陰を作る方法を紹介しています。
